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くすりの質問チャット  

非小細胞肺がんに対する最新治療戦略~PD-L1検査に関する臨床医の視点、病理医の視点~

開催日: 2017年1月7日
開催場所:インターコンチネンタルホテル大阪

非小細胞肺がん(NSCLC)の治療にPD-L1検査が導入された。日本では2種類のPD-1阻害薬が使用可能であるが、それぞれPD-L1検査に用いる検査用抗体が異なり、染色システム、評価対象とする細胞、カットオフ値も異なることが指摘されている。さらに、PD-L1検査の精度管理も重要であり、臨床医と病理医の連携が必須となる。
そこで、肺がんの最新治療とPD-L1検査に精通した臨床医と病理医の先生方にお集まりいただき、PD-L1検査の現状と課題、各抗PD-1抗体薬におけるPD-L1検査の位置づけ、異なる検査試薬間での検査数値の取り扱い、検査試薬の種類に依存しない治療戦略の実現などについて、議論していただいた。

※2017年2月14日に発表された最適使用推進ガイドラインの内容も踏まえて、先生方に監修いただいた。

座長

森井 英一 先生

大阪大学大学院 医学系研究科 病態病理学教室 教授

出演者

光冨 徹哉 先生

近畿大学医学部 外科学教室 呼吸器外科 主任教授

後藤 功一 先生

国立がん研究センター東病院 呼吸器内科科長

元井 紀子 先生

国立がん研究センター 中央病院 病理・臨床検査科 医長

NSCLC治療戦略における免疫チェックポイント阻害薬とバイオマーカーの位置づけ

森井先生

非小細胞肺がん(NSCLC)のがん免疫療法として、2015年12月にPD-1阻害薬ニボルマブが国内導入され、2017年3月にはPD-L1検査が保険償還されるようになりました。そこで、臨床医と病理医の視点から、PD-L1検査についてディスカッションしたいと思います。最初に、NSCLCの治療戦略における免疫チェックポイント阻害薬とバイオマーカーの位置づけについて、光冨先生に解説いただきます。

光冨先生

がん領域のバイオマーカーは、生物学的な性質として予後を決定する「予後予測マーカー(Prognostic marker)」と、特定の治療法の効果を予測する「効果予測マーカー(Predictive marker)」に分けられます。肺がんにはさまざまなバイオマーカー候補がありますが、EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子などは効果予測マーカーとして薬剤選択の際に利用されており、特定の治療薬の効果を予測するコンパニオン診断薬も開発されています。
また、免疫チェックポイント阻害薬の位置づけについては、2016年末に出版された「肺癌診療ガイドライン2016年版」で、1次治療でペムブロリズマブ未使用の2次治療以降においてPS 0~1の場合、非扁平上皮がん(EGFR遺伝子変異・ALK遺伝子転座・ROS1遺伝子転座陰性もしくは不明の症例)、扁平上皮がんともに、「PD-1阻害剤を行うよう勧められる」として、推奨度Aと記載されています(表1)※1。そして革新的医薬品を真に必要な患者に提供するため、2017年2月に厚生労働省よりニボルマブ、ペムブロリズマブの最適使用推進ガイドラインが通知されました※2,3
なお、PD-1阻害薬のバイオマーカー候補とされるPD-L1検査について、日本で承認された2種類のPD-1阻害薬ではそれぞれ異なった検査用抗体で臨床試験が行われ、カットオフ値も個別に設定されている状況にあります(表2)※4-7

森井先生

検査用抗体が異なるPD-L1検査の結果は読み替え可能か、というharmonizationは重要なテーマですね。
続いて、PD-1阻害薬、PD-L1検査のエビデンスから考える現状と未来について、臨床医の立場から後藤先生に、病理医の立場から元井先生に解説していただきます。

* 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

※1 日本肺癌学会編: EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2016年版, 金原出版, 2016

※2 最適使用推進ガイドライン ニボルマブ(遺伝子組み換え)~非小細胞肺癌~ 厚生労働省

※3 最適使用推進ガイドライン ペムブロリズマブ(遺伝子組み換え)~非小細胞肺癌~ 厚生労働省

※4 Brahmer J, et al. N Engl J Med 2015; 373: 123-135

※5 Borghaei H, et al. N Engl J Med 2015; 373: 1627-1639

※6 Reck M, et al. N Engl J Med 2016; 375: 1823-1833

※7 Herbst RS, et al. Lancet 2016; 387: 1540-1550

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