I-I-Oバイオマーカーは、従来のドライバー遺伝子の変異に対するバイオマーカーとは異なります。腫瘍、免疫状態、宿主の環境因子、またはそれらの組み合わせが研究されています。I-Oバイオマーカー研究の目標は、がん治療を個別化することです。
つまり、患者さんごとに、適切な治療法を、適切な時期に施せるようにすることです。
がん抗原は、宿主免疫系により非自己または外来抗原として認識されます1。そして、免疫系が刺激されることで、獲得免疫応答が開始されます1,2。がん抗原に関連した、複数のバイオマーカーが現在研究段階にあります。
炎症性腫瘍は、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤と活性化を示します3,4。微小環境を反映する複数のがん免疫(I-O)バイオマーカーが存在します。
腫瘍やその微小環境内の細胞およびタンパク質により、T細胞の活性化が抑制され、T細胞の疲弊が進行し、さらには制御性T細胞(Treg)が活性化されます5,6。抗腫瘍免疫応答の阻害に関連する因子が、がん免疫(I-O)バイオマーカーの探索研究から候補因子として同定されています。
宿主環境因子の多くが、免疫応答の制御に関与している可能性があります。腫瘍微小環境以外では、喫煙、食事、紫外線への曝露、病原体、腸内微生物叢等の因子が、抗腫瘍免疫応答に影響を及ぼす可能性が示唆されています7-9。
I-Oバイオマーカー研究の重点領域について
REFERENCES–I-O Biomarkers