がん免疫(I-O)療法は、その臨床的なエンドポイントに
対する評価に、より包括的なアプローチを必要としています。
上記のウォーターフォールプロットはORRデータを反映しています。この例では、縦棒は個々の患者さんにおける腫瘍量について、ベースラインからの変化を示しています7,9。
スイマーズプロットは奏効の持続を反映しています。この例では、横棒は個々の患者さんにおける奏効の期間を、奏効を確認した時点、治療の継続状況などとともに示しています。
パターンAとパターンBはいずれも生存期間中央値が等しく、その差も6ヵ月と同じです。しかし、KM曲線が示すように、両パターンにおけるイベント発生率が治療期間を通じて異なることから、治療期間全体での治療群間の評価は中央値だけで判断することはできません。
タイムポイントとして設定された24ヵ月時点において、パターンAで10%、パターンBで30%の治療群間差が認められます。中央値の値と差は同じであっても、タイムポイント解析を加えることで治療群間の差が明確になる場合があります。
パターンAではHR=0.75でリスクを25%低減させたということになり、パターンBではHR=0.35でリスクを65%低減させたということになります。KM曲線が示すように、両パターンにおけるそれぞれの治療群でイベント発生率が異なりますが、パターンAでは早期のハザードの差が反映された結果と読み取れ、パターンBでは治療全期間におけるハザードの差が反映されていると読み取れます。
*両群間の差の有無は、log-rank検定により算出されたp値によって統計学的に検討されます14。
*Time after cessation of I-O protocol therapy without toxicity, before initiation of subsequent systemic anticancer therapy or death.
†Time after cessation of I-O protocol therapy with toxicity while treatment-free.
‡Includes toxicity persisting since protocol therapy and toxicity newly presenting after protocol therapy cessation.
REFERENCES‒I-O研究におけるエンドポイントの検討