日本の国民病ともいうべき悪性腫瘍(がん)は、外科療法、化学療法、放射線療法といった治療法の目覚ましい進歩にもかかわらず、現在も増え続け日本人の死亡原因の第一位です1。
こうしたなか、“がん免疫療法”が、がんに対する新たな治療アプローチとして近年注目を集めています2。化学療法では、がん細胞そのものを標的とし攻撃しますが、がん免疫療法では、患者さん自身の免疫系を活用することによって体内のがん細胞を攻撃します。
本コンテンツでは、生体に生じたがん細胞に対し、免疫系がどのように作用し、がん細胞は免疫系からの作用にどのように反応するのか、また、この免疫系を利用したがん免疫療法の特徴や課題などを、10のトピックに分けてわかりやすく解説します。
監修:国立がん研究センター 研究所 腫瘍免疫研究分野/
先端医療開発センター 免疫TR 分野 分野長
名古屋大学大学院 医学系研究科 分子細胞免疫学 教授 西川 博嘉 氏
REFERENCES