免疫チェックポイント阻害薬などを用い、生体に備わった免疫機能を活用してがんを攻撃するがん免疫療法は、従来の殺細胞性抗がん剤とは異なるアプローチであり、臨床効果のあらわれ方も異なります。がん免疫療法による臨床効果の特徴とはどのようなものでしょうか。
これまでの臨床試験の結果から、がん免疫療法における臨床効果のあらわれ方は、従来の抗がん剤とは異なることが示されています1,2。その大きな特徴は、「臨床効果が持続する例がある」ということです1,2。臨床効果が認められた症例では、治療を継続した症例だけではなく、治療を中止した症例でも臨床効果が持続するケースが報告されています1。また、不変(Stable disease:SD)の状態を維持した後に臨床効果があらわれる例や、一旦増悪(Progressive disease:PD)と判定された後に臨床効果があらわれる例も報告されています1,2,3。
一旦PDと判定された場合、従来の化学療法であれば治療を中止するのが原則でした4。しかし、免疫チェックポイント阻害療法を含むがん免疫療法では、こうした例でも後から臨床効果が出てくる場合があるため2,4、その効果判定においては「免疫関連奏効判定基準(Immune-related
response criteria:irRC)」5などの基準も考えられています。
免疫チェックポイント阻害療法を含むがん免疫療法では、こうした臨床効果のあらわれ方により、生存曲線パターンも従来の抗がん剤と異なる場合があります3,6。
REFERENCES