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細胞傷害性T細胞

抗腫瘍免疫応答に重要な役割を担う細胞傷害性T細胞(CTL)は、ナイーブCD8+T細胞から分化・増殖します。まず、ナイーブCD8+T細胞は樹状細胞のMHC classⅠを認識して、IL-2受容体を発現します。次に、CD4+T細胞が樹状細胞のMHC classⅡのがん抗原を認識してIL-2を産生、CD8+T細胞のIL-2受容体に結合することで、CTLに分化していきます。

活性化したCTLはIFN-γなどを産生するとともに、がん細胞を攻撃、殺傷しますが、がんと診断される段階では、CTL表面にPD-1などの免疫チェックポイント分子が発現し、CTLが機能できない「免疫寛容」になっています。なお、腫瘍微小環境のCD8+T細胞はエフェクターメモリーT細胞(TEM)とセントラルメモリーT細胞(TCM)に大別され、免疫寛容の場合はTCMが増加しています。近年、LCMV慢性感染マウスにおいてPD-1阻害後、幹細胞様細胞が増殖しTEMになることが報告されており、腫瘍組織でもPD-1の阻害によって特定のCD8+T細胞(幹細胞様CD8+T細胞)が増殖することが考えられます1)

 エフェクターメモリーT細胞:主に二次リンパ組織と末梢組織を循環し、同一抗原に再度暴露した際に速やかにサイトカインを産生し、免疫応答する
セントラルメモリーT細胞:二次リンパ組織に常駐して、抗原応答を示す
LCMV:リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス
1)IM SJ, et al. Nature 2016; 537: 417-421
2)Chang CH, et al. Cell 2015; 162: 1229-1241

監修:岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 病態制御科学専攻 腫瘍制御学 免疫学分野 教授 鵜殿 平一郎 氏

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